「海の古書店」でご縁をいただき、身の周りからアンティークが旅立ち、今ぽつねんと「私のもの」だけになった棚をみると、どこかほっとしている自分に気づきます。
役目を果たして安堵いたしましたのでしょう。
アンティークのもつ物語性をお伝えしたくて綴ってまいりました「アラカルト」もそろそろお役目を終えてもよいのではないかしら、そんなことを考えだしたのは風が遅い秋を運んできてくれたころからでした。
ものを売るのではなく、ものの心をお伝えしたい。
それはアトモスフェールのころからの変わらぬ想いでした。
そしてその想いをうけとめてくださるみなさまのおかげでこんなにながくブログを続ける事ができました。
一番最初の記事「
秋のひざしの中で」をアップしたのは2005年10月16日。
それから約5年間。
私のつたない記事にあたたかい眼差しをむけてくださった皆様に心から感謝申し上げます。
明日は恩師のお墓参り。そして大学時代の同窓会。
30年前に志しを同じくして集った仲間達もそれぞれに自分の花を咲かせてきました。
私の花は何だったのかしら。
もちろん愛する家族であり、友達との関係であり、アトモスフェールであり…。
でもまだまだ努力をしなければならない何かがあるような気がいたします。
それはおそらく本をお伝えする仕事。
そのことを確信をしたこのごろ。
もっと本を読み、もっと本の言葉を聞く。
そんなことに時間をとって暮らしたいと思います。
空に浮かぶ白い月。
本とはそんな存在であってほしいと思います。
目立たずにしかし高く照らし続けるもの。
「海の古書店」は晩秋に臨時営業いたします。
そこが私のいるべき場所なのだと願います。
どうぞその折りにはぜひお遊びにいらしてくださいませ。
この秋に長男とパリ、バルセロナを旅する事になりました。
少々ぼんやり気味の母に喝をいれてくれるつもりなのでしょう。
あちらで出会ったかわいい絵本なども連れ帰ることができましたら、あわせてご紹介したいと思っております。
11月のおわりくらいに気が向かれましたら「
海の古書店」の扉を開いてくださいませ。
黒猫おばさん「chatnoirN」がうたたねをしながらのお店番。
どうぞおたたかいお茶でもご一緒に。
みなさまのこれからがますますうつくしいものでありますように。
そして世界中の子供達に笑顔がもたらされる未来でありますように。
これまでいただきました励ましのお言葉にたくさんの感謝をこめて。
Noriko Nakagawa